イチローの安打記録はどう扱われるべきなのか?


先日、イチローが日米通算4257安打目を放ち、ピート・ローズの持つMLB記録を更新した。このことについて、今、いや以前から少なからず日米では議論が巻き起こっている。
それもそのはず、ローズが持つ記録はMLBのみでのもの。それに対してイチローの記録は日米通算だ。そのためイチローの日米通算安打数がMLB記録になることはないのだが、これが話題になることに当のローズが不快感を示しているのだ。新聞紙、ネット上では様々な意見が飛び交う”日米通算記録”ではあるが、この話題に対しての私個人の意見を述べてみたいと思う。

そもそも日米通算記録というものの扱いだが、これは本人にとっては大きなマイルストーンであることに間違いはない。しかし、それをリーグの記録として扱うのはおかしい。イチローが日米通算で5000安打を達成しようがMLB記録はローズの4256本のままであり、NPBの記録も張本勲の3085本のままである。実際NPBのリーグ記録はイチローではなく今も張本のままだ。NPBの公式サイトを見ても、注釈付きですらイチローの名前は見当たらない。それはそのリーグで達成された記録に限定される以上仕方のないことだ。
つまり、イチローの日米通算記録が公式記録としてMLB、あるいはNPBに採用されることはまずありえない話だ。参考記録として注釈付きで、というのもおかしな話だ。ギネスブックならわかるが、リーグ記録としては参考記録にすることも意味が通らない。

実際イチローの今回の記録は日本ではもちろんアメリカでも少なからず取り上げられてはいるものの、それほど大きな取り扱いではない。これは逆の立場で考えればよくわかるのではないだろうか。
もし韓国のスター選手がキャリア半ばにNPBに移籍してきて、最終的になんらかのNPB記録を日韓通算記録で更新した場合、NPBや日本のファンの反応はどうなるだろうか?実際そういったことが起こったわけではないが、日韓通算記録に価値を見出せるファンはそれほど多くはないだろうと私は思う。あるいはアンドリュー・ジョーンズのパターンで考えてみてはどうだろうか。MLBですでに1933安打 434本塁打を記録していたジョーンズは日本に来てから日米通算で2000安打と450本塁打を達成した。果たしてこの記録に対して、日本のファンはどれほど意味を見出していただろうか?もちろんイチローとジョーンズのケースは日米通算という共通点以外は全く違うし、あくまでリーグをまたいだ場合の通算記録の一例だが、こう考えると日本人がイチローを認めないローズに対して批判を重ねるのも何か違う気がしてならない。ローズの人としての器やリーグのレベルに関する議論に話が飛んで行ってしまうのは少し残念だ。
また、「イチローが最初からアメリカでプレーしていればMLBだけでローズの記録を抜いていたはずだ」「日本の方が試合数が少ないことを考えればイチローの方が価値がある」といった意見も多くみられる。これらの意見も、想像するのは結構だがたらればの話をしても仕方がないと思う。

日米通算記録というのは非常に扱いが難しいものだ。もちろん本人にとっては大きなマイルストーンに違いはないが、過剰に報道されればその記録に関わる人々も反論したくなって当然だろう。今回の場合は、ローズの反論の仕方はよかったとは言えないものの、MLBのみの記録で考えるべきという意見は正論に思える。日本では賭博などの過去もあり批判が多いが、私としては少し同情してしまう。

イチローにとっては誰にもケチをつけられることのないマイルストーンがすぐそこに迫ってきている。MLBの殿堂入り切符とも言える通算3000安打だ。現時点で残り21本というこの記録を達成した時、今度こそ本人も日米のファンやメディアも祝福にあふれるはずだ。今は少し議論をおさめて、次なるマイルストーンの達成を楽しみにしたい。

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